格安VPSで有名なScaleway。フランスのOnline SASが運用しています。
目を引くのが価格の安さであり、最安プランでCPU1コア/メモリ1GBで月額1.99ユーロ(約254円)、パブリックIPアドレスの無いプランでは月額1ユーロ(約128円)という類を見ないほどの安さとなっています。
しかし、当然のことながらこの安さには理由があります。ただ単に安いからといって飛びつくと痛い目に遭います。
Scalewayが悪いのではなく、そもそも設計思想自体が一般的なVPS事業者とは異なります。
CPUがAtomおよびARM
価格や消費電力を抑えるため、ScalewayのCPUはAtomおよびARMとなっています。他の事業者では多くの場合Xeonを使いますので、これらに比べると処理性能に関しては低下します。
また、ARMアーキテクチャを選択した場合は、ARM専用に設計されていないアプリケーションが動作しないこともあります。
これに関しては、VPSだけではなく専用サーバー(Baremetal)に関しても同様です。
ストレージの冗長化なし
多くの事業者では、ストレージ上に保管されたデータの喪失を防ぐため、ある程度のRAID構成が為されていることが一般的です。
Scalewayでは、ストレージの冗長化に関しては行われていません。これは、万一ストレージが破損した場合にストレージ上のデータは失われることを意味します。
There is no redundancy on these volumes, you need to handle redundancy on your side!
こちらに非がなくても、ストレージが破損して復旧できなくなる場合があります。Scalewayに限りませんが、冗長化の有無にかかわらず自己責任で定期的にバックアップを取得する必要があります。
Scalewayでクリティカルなアプリを動かすことは非推奨
上記のように、値段が安いのには理由があります。個人の趣味サイトのように、万一停止しても損害がほとんどないようなサイトでは、ランニングコストを抑えられるため便利です。
一方で、ECサイトのように停止が損害に直結するようなシステムでの利用はおすすめしません。