公職選挙のインターネット投票が実現困難な理由2つ

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公職選挙と技術を絡めた話。
こんなツイートが流れてきました。


確かにそれはそうなのですが、技術的に考えるとこれを非常に困難にする理由が2つあります。

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1人1票を保証しなければならない

当たり前に近いですが、非常に重要なポイントです。
これ単体ではそこまで難しくないかもしれないですが、次の2つ目の要件と組み合わせられると非常にこれが難しい問題となります。

もし1人で2票以上投票できてしまった場合、選挙の公平性が失われることになります。

誰に投票したかが分からないことを保証しなければならない

日本は秘密選挙です。したがって、誰がどこに投票したかを知られることはありません
例えば、あなたが候補者Aに投票したところ、他の人に候補者Bに投票したと嘘をついても確認する方法は一切ありません1)記憶を覗かれたら対抗のしようはありませんが、現状の技術では不可能でしょう

実際に投票所に行けばわかると思いますが、投票用紙を貰った後は少し離れた場所にある投票記載台で候補者や政党の名前を書いたり、〇をつけたり、場合によってはやめさせる最高裁判所裁判官に×をつけたりすることになります。
したがって、1人1票であることを保証しつつ、個人と投票内容を切り離さなければなりません

秘密選挙でない選挙は公開選挙。北朝鮮のように、誰に投票したかがバレバレになる選挙のことです2)反対票を投じるための投票箱が離れた場所にあるので、反対票を投じると事実上バレバレになる

コンギョ~コンギョ~

失礼いたしました。

先述の理由から、投票は常に1人1票である必要があります。しかし、それと投票先の内容を紐づけてはいけません。ただ単に匿名性を確保すれば良いというわけではありません。
この問題は技術的に解決する必要があります。もし、運用で単に紐づけを記録しないという形で対応した場合、予期しない場所で記録が残り、秘密選挙であることが保証されなくなる恐れがあるからです。
また、何らかの脅迫によって秘密裏に紐づけが記録されるようなことがあるかもしれませんが、そのようなことが絶対にあってはなりません3)システムをこっそり書き換えて、秘密裏にログが収集されるようなことがあっては秘密投票の意味をなしません

結局何が難しいのか?

公職選挙をインターネット投票にする理由が難しいのは、次の2つの要件を同時に満たす必要があるからです。

  • 1人につき1票だけ投票できる
  • 誰に投票したのかを知られてはならない
    確実に1人1票であることを保証しつつ、かつ投票内容を知られないことを技術的かつ透明性高く証明・実装することは非常に困難です。
    名目上かもしれませんが、日本は民主主義国家です。主権者である国民の権利を確実に保護するための仕組みとして、透明性の高いシステムを実装するにはブラックボックスを作ってはならないものです。

    現状の選挙では投票用紙を貰って、投票記載台で書き込むというプロセスが物理的に分離されていますが、インターネット投票ではどうでしょうか。
    これが、インターネット投票を非常に困難とする理由です。

    References   [ + ]

    1. 記憶を覗かれたら対抗のしようはありませんが、現状の技術では不可能でしょう
    2. 反対票を投じるための投票箱が離れた場所にあるので、反対票を投じると事実上バレバレになる
    3. システムをこっそり書き換えて、秘密裏にログが収集されるようなことがあっては秘密投票の意味をなしません
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