パブリッククラウドでは、管理者(つまり設備を貸し出している事業者)によりリソースの使用状況が監視されることがあります。
監視される内容によって、そのサーバーで行ってよいこと、いけないことが変わります。しかし、今回は監視される内容の説明に留めておきます。

By: futureatlas.com
区分
ここでは、パブリッククラウドを次の5区分に分けて説明します。いわゆるレンタルサーバーも含めてここでは広義のパブリッククラウドとして取り扱います。
主にIaaS(Infrastructure as a Service)を前提とした説明です。PaaS(Platform as a Service)はリソース管理ありの共有サーバーに含めることとします。
多くの無料レンタルサーバーのように、特に監視用ソフトウェアを導入していないものが対象です。
CloudLinux等のソフトウェアにより、CPU時間やメモリ使用量の上限が厳密に管理されているサービスを対象とします。ここにはPaaSを含むものとします。
主にOpenVZ系のコンテナ型仮想化を対象としています。
主にKVM, XENのような完全仮想化を対象としています。
ベアメタルサーバーとも呼称され、物理サーバー1台を丸ごと借りることができるものです。ハウジングについてもここに含めるものとします。
監視されるもの
監視エージェントを導入する場合はOS内部からデータを送信するため、すべてのデータを監視できますが、ここでは何も手を加えない状態でハイパーバイザーもしくは管理者から監視されうるものについて記載します。
また、特別に保守を依頼している場合についても除外しています。何らかの理由により、ディスクイメージが吸い出された場合についても特殊な事由のため除外しています。
ユーザーの導入するOSに関わらず、監視されうるものを次の表に示します。自動的に監視対象となるものには○をつけています。条件次第もしくは手動による方法で監視対象となるものには△をつけています。
区分 | 共有 | 仮想専用(VPS) | 専用/ハウジング | ||
管理なし | 管理あり | コンテナ型 | 完全仮想化 | ||
CPU | |||||
CPU使用率/サイクル数 | △ | ○ | ○ | ○ | – |
メモリとプロセス | |||||
メモリ使用量 | △ | ○ | ○ | – | – |
プロセス数 | △ | ○ | ○ | – | – |
プロセス名 | △ | ○ | ○ | – | – |
実行時間 | △ | ○ | ○ | – | – |
スワップ((スワップによるメモリ操作はディスクI/Oに含む)) | △ | ○ | ○ | △ | – |
ディスク | |||||
ディスクI/O操作 | △ | ○ | ○ | ○ | – |
ディスク/inode使用量 | ○ | ○ | ○ | – | – |
ネットワーク | |||||
入出力パケット数/転送量 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
同時接続数 | △ | ○ | ○ | – | – |
ミドルウェア | |||||
詳細なメトリック((具体的にはヒット数やアクセスログ)) | ○ | ○ | – | – | – |
上記の表で○もしくは△のつけてある部分に関しては、ハイパーバイザーや管理者により監視される部分となります。それ以外の部分は、自発的に監視エージェントや保守を入れていない場合は監視されません。
具体的に禁止されうる行為については、次回の記事において説明いたします。